そんな疑問を解決していきます。
- 税金の仕訳が分かる
- 税金の種類が分かる

税金の種類
簿記3級に出る税金は3種類あります。
- 消費にかかる税金→消費税、不動産取得税
- 保有にかかる税金→固定資産税、印紙税
- 儲けにかかる税金→法人税(住民税、事業税、所得税…)
消費にかかる税金
①消費税
商品を購入するときに消費税はつきものです。
簿記では消費税の仕訳をするとき次の3つの勘定科目を使います。
- 仮払消費税(資産)
- 仮受消費税(負債)
- 未払消費税(負債)
例えば、以下の図の小売店に焦点を当ててみます。
小売店は消費税を卸業者に20円払い、消費者からは30円受け取って、その差額10円を税務所に納税しています。
この一連の流れを仕訳にしてみました。

小売店が卸業者に消費税20円払った時の仕訳は次のようになります。
仕入
仮払消費税 |
200
20 |
買掛金 | 220 |
小売店が消費者から消費税を受け取った時の仕訳は次のようになります。
売掛金 | 330 | 売上
仮受消費税 |
300
30 |
決算時にすべての仮受消費税と仮払消費税を集計して、その差額を未払消費税を計上します。
今回の例では、取引が一回しかなかったものとして考えます。
仮受消費税 | 30 | 仮払消費税
未払消費税 |
20
10 |
②不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を購入した時にかかる税金のことです。
例えば…
50万の土地を取得し、市より届いた納税通知書を使用して不動産取得税1万円を現金で支払った。なお当社では、当該不動産所得税は土地の取得原価には含めず、支払時の経費として処理するものとする。
土地
租税公課 |
500,000
10,000 |
現金 | 510,000 |
経費として処理しない場合は…
土地 | 510,000 | 現金 | 510,000 |
となり、税金は付随費用として土地に含めて処理します。
保有にかかる税金
①固定資産税
固定資産税とは資産を所有しているときにかかる税金で、租税公課勘定で処理します。
固定資産税10万円の納付書が市から送付されてきた。
租税公課 | 100,000 | 未払金 | 100,000 |
上記の固定資産税を当座預金から支払った。
未払金 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |
納付書が送られてきたときは未払金で処理し、支払った時に未払金を取り崩します。
②印紙税
印紙税とは、手形や領収書を作成したらかかる税金のことです。
例えば…
100円の収入印紙を現金で購入し、領収書に貼付した。
租税公課 | 100 | 現金 | 100 |
儲けにかかる税金
法人税等(確定申告)
法人税、住民税、事業税の3つで法人税等といいます。
法人税等の求め方は以下のようになります。
法人税等=税引前当期純利益×税率
税引前当期純利益が1000円だったとします。
以下の仕訳はを考慮しない場合の仕訳です。
▼税金は考慮しないパターン
損益 | 1,000 | 繰越利益剰余金 | 1,000 |
収益と費用を集計して損益勘定に振り替えた結果、利益は1,000円だったので、それを繰越利益剰余金勘定に振り替えます。(資本振替)
では次に、税金を考慮した時の仕訳を見ていきましょう。
▼税金を考慮した仕訳
法人税等
損益 |
300
700 |
未払法人税等
繰越利益剰余金 |
300
700 |
税率30%だった場合、税引前当期純利益×30%になるので、法人税等は300円となります。
この時点で法人税は支払われていないので、未払法人税勘定(負債)で処理します。
法人税は決算日から2か月以内に納付しなければならないため、決算日が3/31だった場合、5/31までに支払わなければならないということになります。
▼5/31に法人税を支払った時の仕訳
未払法人税 | 300 | 当座預金 | 300 |
法人税を支払った場合、貸方にあった未払法人税を取り崩して、当座預金の減少として処理します。
法人税等(中間申告)
法人税は2回に分けて納付する場合があり、1回目の納付を中間申告といいます。(2回目が確定申告)
中間申告した際には、仮払法人税勘定(資産)という勘定科目を使って処理します。
仮払法人税は、法人税を仮払いしているということなので資産となります。
例えば…
以下のような領収書が送られてきたので、適切に処理しなさい。

仮払法人税 | 12,000 | 当座預金 | 12,000 |
仮払法人税で処理する場合は、領収書の「納期区分」のところの『中間申告』に丸がついています。
もし確定申告に丸がついている場合、未払法人税で処理することになります。
このような問題に出くわしたら、「納期区分」のところを注意して見ましょう。
また、決算時に仮払法人税が前T/Bに書かれてあれば、次のような仕訳になります。
▼前T/Bに仮払法人税がある場合
法人税等 | 30,000 | 仮払法人税
未払法人税 |
12,000
18,000 |
決算の時、前TBに仮払法人税が計上されていたら中間申告していたということです。
【簿記3級】税金:まとめ
簿記3級の試験に出る3種類の税金は、
- 消費にかかる税金→消費税、不動産取得税
- 保有にかかる税金→固定資産税、印紙税
- 儲けにかかる税金→法人税
それぞれの勘定科目は、
- 消費税→商品を購入するときにかかる税金で、仮払消費税、仮受消費税、未払消費税の勘定科目を使う
- 固定資産税→建物などの固定資産を保有することでかかる税金で、租税公課勘定を使う
- 印紙税→手形や領収証などにかかる税金で、租税公課を使う
- 法人税等→法人税、住民税、事業税の3つの総称で、法人税等、仮払法人税、未払法人税の勘定科目を使う
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