- 当座借越と借入金の違いは?
- 当座預金はなぜ決算整理仕訳と再振替仕訳をする必要があるの?
そんな疑問を解決していきます。
- なぜ当座預金は決算整理仕訳と再振替仕訳するのかわかる。
- 当座借越と借入金の違いが分かる。
当座借越とは?
当座預金口座が貸方(マイナス)の場合、期末の時だけ一時期的に当座借越勘定に振り替えます。
なぜこのようなことをするのかというと、期末にどれだけの借金があるのか確認するためです。
当座借越勘定は銀行への借金になりますから、貸借対照表では負債になります。
例えば…
パソコン50万円分小切手で支払った。当座預金の残高は10万円しかないが、あらかじめ銀行とは限度額1億円の当座借越契約を結んでいる。
備品 | 500,000 | 当座預金 | 500,000 |
「あれ?当座借越勘定は?」と思われるかもしれませんが、ここがポイントです。
今までは下の仕訳のように、期中の取引で銀行から借りている分当座借越として処理していました。
備品 | 500,000 | 当座預金
当座借越 |
100,000
400,000 |
しかし、令和元年の試験からは決算で当座借越に振り替えましょうというふうになりました。
- 当座借越は当座預金の残高より多くのお金が引き落とされた時に、あらかじめ契約した金額内(当座貸越契約)で銀行が自動的に貸し出すお金です。通常借入金は、1年以内に返済しなければいけないものと覚えておきましょう。
- 上記以外の借金は全て借入金となるイメージです。借入金には、決算期の翌日から1年以内に返済しなければならないもの(短期借入金)と、1年を超えて返済しなければいけないもの(長期借入金)があります。当座借越は短期借入金に分類されます。
しかし、問題によっては当座借越の代わりに借入金を用いる場合もありますので気をつけましょう。
当座借越の決算整理仕訳と再振替仕訳
- 期中の取引では当座預金内の金額を気にせず仕訳をしていきます。
- 期末時点で当座預金が貸方の場合、当座借越勘定(または、借入金)に振り替える。
- 翌期首に再振替仕訳(逆仕訳)をする。
当座借越は、どれだけの借金があるのか確認するための勘定科目ですので翌期首には0に戻す必要があるのです。
例題
3/22→当座銀行に現金40万円預け入れた。なお、取引銀行との間で、1億円を限度とする当座借越契約を結束した。
当座預金 | 400,000 | 現金 | 400,000 |
商品50万円を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。
仕入 | 500,000 | 当座預金 | 500,000 |
この時点で10万円の当座借越が生じています。
本日決算日。当座預金の貸方残高10万円について、適切な勘定科目へ振り替える。
当座預金 | 100,000 | 当座借越 | 100,000 |
期首において、当座借越勘定の残高10万円について、適切な資産の勘定科目に振り替える。
当座借越 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |
期中には当座預金、期末になったら当座借越というふうに繰り返されます。
まとめ
- 当座借越は借金がどれくらいあるのか確認するための勘定科目
- 借入金との違いは銀行への借金か、他会社からの借金か(または短期か長期か)
- 令和元年からは決算で当座借越を計上することになった。
- 当座借越は再振替仕訳が必要。
投稿者プロフィール

最新の投稿
簿記2022.03.14Q.クレアールの簿記講座の評判ってどうなの?
簿記2022.03.13【簿記3級】買掛金、未払金、借入金、未払費用の違い
簿記2022.03.12Q.簿記試験のよくある失敗談ってありますか?
簿記2022.03.11Q:簿記を学べばお金は貯まる?