簿記上の現金
現金勘定は資産なので増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。
現金勘定で処理するものは以下の2つです。
- 通貨(紙幣および硬貨)
- 通貨代用証券(いつでも換金可能であり、支払い手段として用いることができるもの)
通貨とは?
通貨とは普段皆さんが使っている紙幣や硬貨のことです。
商品を買ったりして、通貨を使って取引を行ったら現金勘定で処理します。
まずは①の通貨の増減による取引の仕訳の例を見ていきましょう。
受取手数料¥20,000を現金で受け取った。
現金 | 20,000 | 受取手数料 | 20,000 |
現金(資産)が増加したので借方現金20,000、受取手数料(収益)が発生したので貸方受取手数料20,000となります。
商品¥30,000を仕入れ、代金は現金で支払った。
仕入 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
商品を仕入れた(費用)ので借方仕入30,000、現金(現金)で支払ったので貸方現金30,000となります。
通貨代用証券とは?
通貨以外にも通貨代用証券というものが現金勘定で処理されます。
- 他人振出小切手
- 送金小切手
- 郵便為替証書
▼小切手とは
小切手とは、当座預金(小切手や手形の振出を行うことのできる無利息の預金)から引出を行うために振り出す証券のことです。

図のように、A社はB社から小切手を受け取った場合、現金勘定で処理します。
商品¥70,000を販売し、代金は先方振出の小切手で受け取った。
現金 | 70,000 | 売上 | 70,000 |
商品を¥70,000で売り上げたので貸方売上70,000、他社振出の小切手を受け取ったので現金勘定で処理となるので、借方現金70,000となります。
受取手数料¥70,000につき、送金小切手で受け取った。
現金 | 60,000 | 受取手数料 | 60,000 |
現金過不足とは?
現金の実際有高は毎日調べます。
帳簿残高と照合し、両者が一致していれば問題がないのですが、不一致の場合があります。
不一致の場合には、帳簿残高を実際有高に近づける処理をしなければなりません。
それがすぐに判明しない場合があるので、その場合は現金過不足勘定として処理しておき、後日調査します。

現金過不足の処理は以下の時に行います。
- 現金過不足の発生時
- 原因判明時
- 原因過不足のまま決算を迎えたとき
現金過不足の発生時の仕訳
帳簿残高を実際残高に合わせる処理を行います。
勘定科目は一時的に現金勘定を用いります。
2/28→現金の実際有高は¥30,000、帳簿残高は¥40,000であった。
現金過不足 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
帳簿残高が実際有高より¥10,000多いので、帳簿残高を減らす処理をします。
貸方現金10,000、相手勘定は現金過不足になります。
現金過不足の原因判明時。
現金過不足勘定の残高を取り崩すとともに、原因となっていた本来の勘定による処理を行います。
3/16→2/28の不一致のうち¥6,500は支払家賃の記入漏れであった。
支払家賃 | 6,500 | 現金過不足 | 6,500 |
記入漏れであった支払家賃を計上し、その分現金過不足を取り崩します。
最後に現金過不足が原因不明なまま決算を迎えた時。
雑損、雑益勘定によって処理します。
雑損、雑益とは、なぜか分からないけど現金が増減していたものです。
現金過不足勘定を取り崩し、雑損、雑益勘定に振り替える処理をします。
3/31→本日決算日。不一致のうち残高は不明なままだったので雑損、雑益として処理する。
雑損 | 3,500 | 現金過不足 | 3,500 |
帳簿残高が実際有高より¥3,500多い状態なので、借方現金過不足¥3,500、貸方現金¥3,500になります。
なので、現金過不足¥3,500分を雑損(費用)によって処理します。
現金過不足が貸方になっていれば、雑益によって処理します。
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