そんなお悩みを解決していきます。
この記事には、簿記3級で使ういろいろな債権債務をまとめてあります。
- 前払金、前受金の処理が分かる
- 未収入金、未払金の処理が分かる
- 仮受金、仮払金の処理が分かる
- 立替金、預り金、法定福利費の処理が分かる
- 諸会費の処理が分かる
- 受取商品券の処理が分かる

前払金と前受金
商品の受け渡しに先立ち、手付金や内金を受け払いする場合があります。
- 支払った側→前払金勘定(資産)
- 受け取った側→前受金勘定(負債)
- 6/15→H株式会社は、N株式会社より商品15,000円を仕入れる契約をし、代金の一部6,000円を手付金として現金で渡した。
- 6/28→H株式会社は、N株式会社より商品を仕入れ、代金のうち6,000円は先に支払った代金で充当し、残額は掛けとした。
▼H株式会社
6/15 | 前払金 | 6,000 | 現金 | 6,000 |
6/28 | 仕入 | 15,000 | 前払金
買掛金 |
6,000
9,000 |
▼N株式会社
6/15 | 現金 | 6,000 | 前受金 | 6,000 |
6/28 | 前受金
売掛金 |
6,000
9,000 |
売上 | 15,000 |
未収入金と未払金
商品売買(本業の取引)、金銭の貸借以外の取引による金銭債権・債務は、未収入金勘定、未払金勘定として処理する。
- 6/15→土地を1,000,000円で売却し、代金は後日受け取ることとした。
- 6/28→6/15に売却した土地の代金の1,000,000円を現金で受け取った。
- 8/16→車両運搬具500,000円を購入し、代金は後日払うこととした。
- 8/27→8/16に購入した車両運搬具を現金で支払った。
6/15 | 未収入金 | 1,000,000 | 土地 | 1,000,000 |
6/28 | 現金 | 1,000,000 | 未収入金 | 1,000,000 |
8/16 | 車両運搬具 | 500,000 | 未払金 | 500,000 |
8/27 | 未払金 | 500,000 | 現金 | 500,000 |
仮払金と仮受金
現金などの受払はしたが、その相手勘定科目や金額が確定していない場合に、一時的に仮払金勘定、仮受金勘定を用いて処理します。
- 7/1→従業員が出張のため、旅費の概算40,000円を現金で渡した。
- 7/3→出張中の従業員が当社の当座預金口座に250,000円の振り込みをしたが、その内容は不明である。
- 7/4→出張中の従業員から連絡があり、前日の当座預金への振り込みは、得意先N社に対する売掛金の回収であることが判明した。
- 7/5→出張していた従業員が帰社し、旅費は36,000円であったので、差額の4,000円は現金で回収した。
7/1 | 仮払金 | 40,000 | 現金 | 40,000 |
7/3 | 当座預金 | 250,000 | 仮受金 | 250,000 |
7/4 | 仮受金 | 250,000 | 売掛金 | 250,000 |
7/5 | 旅費交通費
現金 |
36,000
4,000 |
仮払金 | 40,000 |
立替金と預り金、法定福利費
- 他人の費用などを一時的に立て替えた場合、立替金勘定として処理します。※従業員に対する立替金分は従業員立替金勘定によって処理することもある。
- 他人のお金を預かった場合、預り金勘定で処理します。※従業員に対する立て替え分は従業員預り金、従業員負担の社会保険料、源泉徴収税を給与から天引きした時は、社会保険料預り金勘定、所得税預り金勘定によって処理することもある。
- 従業員の社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)のうち、会社負担分を支払った場合、法定福利費勘定で処理する。
立替金の仕訳
- 従業員が負担すべき生命保険15,000円を現金で立替払いした。
- 商品55,000円を販売し、代金は掛けとした。なお、先方負担の運送料3,000円は現金で支払った。立替金勘定を用いる方法によること。
① | 従業員立替金 | 15,000 | 現金 | 15,000 |
② | 売掛金
立替金 |
55,000
3,000 |
売上
現金 |
55,000
3,000 |
給料の支払いの仕訳
今月分の従業員に対する給料250,000円を立て替えていた従業員の生命保険料15,000円と所得税の源泉徴収分19,000円分、および健康保険・厚生年金・雇用保険料合計27,000円社員旅行費用従業員負担分の4,000円を差し引いて、従業員が指定する金融機関口座へ当社の普通預金口座から振り込んで支給した。
③ | 給料 | 250,000 | 従業員立替金
所得税預り金 社会保険料預り金 従業員預り金 普通預金 |
15,000
19,000 27,000 4,000 185,000 |
保険料などの支払い
- 従業員の源泉徴収税19,000円を現金で納付した。
- 従業員負担分の15,000円、当社負担分の16,000円の社会保険料合計30,000円を現金で支払った。
① | 所得税預り金 | 19,000 | 現金 | 19,000 |
② | 社会保険料預り金
法定福利費 |
15,000
16,000 |
現金 | 31,000 |
差入保証金
不動産の貸借にあたって支払う敷金や保証金は、差入保証金勘定によって処理する。
店舗の貸借にあたり、1か月分の家賃150,000円、敷金150,000、不動産への仲介手数料130,000円を普通預金から振り込んだ。
支払家賃
差入保証金 支払手数料 |
150,000
150,000 130,000 |
普通預金 | 430,000 |
諸会費
会社が参加している業界団体や、地元の商店会等に対して年会費等を支払った場合には、諸会費勘定によって処理する。
会社が参加している業界団体に、年会費60,000円を現金で支払った。
諸会費 | 60,000 | 現金 | 60,000 |
受取商品券とは自治体がなどが発行した商品券
商品を販売する際、商店連合会や自治体などが発行した商品券、同業の商店グループで通用する他店発行の商品券を受け取ることがあります。
この場合、後日商店連合会などに商品券を持ち込み代金を支払うので受取商品券勘定(資産)として処理します。
- 顧客が連合会や自治体から商品券を購入
- 当社が顧客にサービスを提供し、顧客は対価として商品券を渡す
- 当社は商品券を連合会に持ち込み換金する

- 受取商品券は自治体や商店連合会が発行した商品券がを扱ったときに用いる勘定科目
- 受取商品券は後日換金できる
- 後日換金できる権利なので資産に分類される
受取商品券の仕訳
商品券を受け取った時の仕訳
商品¥210,000を売り上げ、代金として同額の自治体発行の商品券を受け取った。
受取商品券 | 210,000 | 売上 | 210,000 |
換金時の仕訳
かねて受け取った自治体発行の商品券¥800,000を引き出して換金請求を行い、ただちに同額が普通預金に振り込まれた。
普通預金 | 800,000 | 現金 | 800,000 |
受け取った商品券で購入した時の仕訳
商品を陳列するための陳列ケース¥2,300,000購入し代金のうち¥1,400,000はかねて受け取っていた信販会社発行の商品券を引き渡し、残額は今月末に銀行振り込みで支払うこととした。
備品 | 2,300,000 | 受取商品券
未払金 |
1,400,000
900,000 |
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